bon-wasanbonの日記

日々の暮らしや子育てについてゆるく書いていきます

【読書記録】2021.9

産休中に比べて読書量は落ちましたが、子どもの絵本を借りるため図書館通いは続いています。読書記録が貯まり次第アップしているので、タイトルの年月があまり意味を成していませんが。

読み返したい本に☆印をつけています。

夕べの雲(庄野 潤三)

多摩の丘の上で暮らす5人家族の日常を父親目線で描いた小説。時代背景や家族構成は「ザボンの花」の数年後といった感じ。別の家族の話ではあるものの、筆者の家族がモデルになっていることもあり子供が成長したようにも読み取れて感慨深い。こちらもなんと言うことのない日常がしみじみと面白い。ただ、隣人がいないからか子どもが大きくなったからか、「ザボンの花」がぽかぽか、きらきらと絵本のような希望や暖かみが感じられたのに対し、何となく現実味がある寂しさのようなものが強いように感じました。読むタイミングによっても印象が変わりそう。

家事でモメない部屋づくり(三木 智有)

目指すべきはモデルルームではなく家族が無理せず快適に過ごせる部屋。片付かない・家事がしにくいといった悩みを解決するためのヒントがつまった本です。家族間でルールをすり合わせてからそれに沿った仕組みを作る、というのは当たり前のようでなかなかできていませんでした。夫に一方的にルールを押し付けがちだったのでかなり反省。子どもの成長とともに生活スタイルも変わっていくので都度参考にしたいと思います。

異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養(エリン・メイヤー) 

「カルチャー・マップ」を使って、異文化間の誤解を減らしビジネスをスムーズに進めるための本。「カルチャー・マップ」とは各国の文化的な特徴を「コミュニケーション」「評価」といった指標ごとにマッピングし、相対的な違いを見える化したもの。例えば、ネガティブなメッセージを単刀直入に伝えるのが好まれるロシアやイスラエルと、オブラートに包む方が好まれるアジア圏は対極の位置に表現されるといった具合。YES/NOが明確な外国人に対し曖昧な日本人、というのはよく語られがちですが、どの国がどこにどう位置するかは指標ごとに様々で、単純ではないことがわかります。言葉の壁は様々な技術の進歩でどうにかなりそうですが、文化の違いによる齟齬は同じ国であっても生まれるもの。相手との違いを踏まえてうまくやっていく、というのはどんな人にも必須の力だと思います。

台所のマリアさま(ルーマー・ゴッデン)

家族にも心を開かない少年グレゴリーが、ウクライナから難民としてロンドンに来た過去を持つ家政婦のマルタには共感し、彼女のためにできることを考え行動していきます。

見覚えがあるなと児童書の棚で手に取ると、小さい頃に読んだことがある本でした。読み返してみて思いがけず、繊細で丁寧な物語の世界に深くひたりました。故郷を失くすということの重さや、周りの大人たちの機微が分かるようになってから読むと、新たな感動がありました。挿絵もあわせて是非お薦めしたいです。